ポルトガルの旅(2)台風にたたられた出発。からのフィンエアーとヘルシンキ空港

フィンエアー ポルトガルの旅

台風15号上陸の翌日に迎えた出発日

2019年は台風の被害が目立つ年だった。とくに大きな被害をもたらしたのが、10月12日に日本に上陸した台風19号。令和元年東日本台風と名付けられたこの台風は(台風に名前が付けられたのはなんと42年ぶり!)80名以上の死者を出したうえに、建物の被害やイベントの中止など各方面に甚大な影響が及んだ。

台風19号が襲来する約1カ月前、9月に発生した台風15号も房総半島を中心に大きな被害をもたらした。この台風15号には令和元年房総半島台風との名前が付けられている。

さて、今回のポルガル旅行、出発は2019年9月10日。そう! 令和元年房総半島台風が猛威を振るった翌日である。この台風は9月9日午前3時前に三浦半島を通過。東京湾を通過して、午前5時前には千葉県千葉市に上陸した。

この台風については2〜3日前から注意が促されていて、9月8〜9日にかけては首都圏を中心に記録的な暴風雨に見舞われた。9日は首都圏の交通機関は朝からストップ。私も午前中に1本、午後に1本、仕事の打ち合わせがあったのだが、午前中の打ち合わせは中止となった。

台風は8時ごろには茨城県沖に抜けたものの、被害の爪痕はすさまじかった。交通機関は午後には順次動き出したものの、通常通りとは言い難い状況だった。

成田エクスプレスが動かない。スカイライナーは満員で絶体絶命

そんな中で迎えた9月10日。まさに台風一過の晴天。空港ホームページで航空便をチェックしたところ、国際便は運行している模様。成田発11時、ヘルシンキ行きのフィンエアーに乗るために、予定通り我が家を7時過ぎに出発した。品川駅発7時45分の成田エキスプレスに乗車予定で、すでにチケットも手に入れている。

品川駅で電車を待っていたところ、10分ほど遅延しているとの情報。10分ならと待つことを選択するが、10分経っても来ない。なんだかいやな感じ。じりじりしながら待っていたら、さらに10分が経過。もうこれ以上待てないなあと思っていたら、いきなり「運休になりました」とのアナウンス。台風の翌日だし、まあ、仕方ないね。

とはいっても、その時はやや慌て気味に。「もう、早く言ってよぉ〜」状態になりながら、京成電鉄のスカイライナーに乗るべく、山手線で上野駅を目指すことにした。この時点ですでに時間ぎりぎり。最初に「10分遅れる」というアナウンスがあった時点で、早々に成田エクスプレスを見限れば良かった……と思ったものの後の祭り。

上野駅までは順調だったが、ここからが大変だった。京成上野駅の改札は成田エクスプレス運休とばっちり組とおぼしき人も混ざって大変な混雑。そして、スカイライナーが満員! というわけで、仕方なく特急に乗ることになった。スカイライナーだと成田空港まで停車駅は日暮里駅のみだが、特急だと3駅に停車する。う〜ん、空港に到着するのは出発の40分くらい前になってしまいそう。これはまずい……。

搭乗20分前に何とか滑り込みセーフ!

特急に乗ったはいいものの、電車はやけにのろのろ運転。はい、これも台風の影響です。もしかしたら間に合わないかも……というイヤな考えが頭をよぎる。後で聞いたところによると、連れはすでにこのときもう諦めていたとか。

いやいや、そんなに簡単に諦めちゃいかんよ。というか、私は全く諦めてはいなかった。とにかくできるだけのことをしようと、航空会社に連絡を入れることにした。

実は昔、勘違いして搭乗時間ぎりぎりで空港に到着した経験がある。その時に成田エクスプレスの中から航空会社に電話しておいたら、スタッフが待ちかまえていてくれて、搭乗口まで案内してくれて事無きを得たことがあったのだ。

この成功体験(?)をもとに、チケットを申し込んだJALとフィンエアー、そして成田空港に電話をかけてみる。しかし、どこもつながらない。何回かチャレンジしているうちに、成田空港とJALにはどうにかつながったのだが、「フィンエアーに連絡しろ」という素っ気ない返事。

しばらくするとフィンエアーにもつながったのだが、「待つことはできないので、搭乗時間に間に合わなきゃ無理」とのこと。そりゃそうだけどさ。なんともつれないじゃないの。それから、緊急事態とはいえ電車内で電話をしたことは申し訳なかった。すみません。

とにもかくにも成田空港に到着し、とにかくダッシュ! フィンエアーのカウンターに到着したのは、搭乗時間の20分前だった。カウンターには何人かの人が並んでいて、まだ搭乗受付は締め切られていなかった。助かった! やはり台風による交通機関の乱れで、空港到着が大幅に遅れた人がけっこういた模様。

手続きを終えると、「搭乗口まで急いでください!」と急かされ、またまた走る。搭乗口まで息を切らして駆けつけたら、「あと数名、いらっしゃっていない人がいるのでまだ大丈夫ですよ」と優しいひと言。ここで一息ついて、なんとか乗り込んだ。

それにしても、2018年のスリランカ旅行も出発するときに台風が来ていたし、なんだか夏休みの旅行はこのところ台風にたたられている。

スリランカへの旅(3)危うし! 前日から台風大接近で、果たして飛行機は飛んでくれるの〜?の巻
出発当日はなんと関東地方に台風が襲来! 千葉に上陸しようかという勢いでした。前日からハラハラしながら天気予報をチェックしており、ちょっと微妙なところかな〜という感じ。

マリメッコのナプキンがおしゃれなフィンエアー

さて、初めてのフィンエアー。エコノミーです。機内はまあ普通かな。可もなく不可もなく。CAさんも普通。とくに優しくもなく、雑でもなく。とにかく普通。

フィンエアー

フィンエアーの紙コップと紙ナプキンはマリメッコ柄

口コミなどでよく話題になっているマリメッコだが、エコノミーでは紙コップと紙ナプキンぐらいでしかお目にかかれない。渡されると「ああ、これが例の……」とは思うけれど、まあ、それだけだ。

フィンエアーの機内食

フィンエアーの機内食。なぜかカレーと日本そば。そしてクラシカルなおてもと

機内食はなぜかカレーと日本そば。フィンエアーなのになぜ? 機内食は日本で積んでいるからね。仕方ないか。それにしてももう少しフィンランドっぽさを出してもいいのに。味はおいしかった。とくにデザートのケーキ。機内食のスイーツはやけに甘過ぎたりして食べられないものがほとんどだが、フィンエアーのケーキは珍しくおいしくいただいた。

成田からヘルシンキまでの飛行時間は約10時間。その他のヨーロッパの都市だと、12〜13時間は掛かるので、なんだかあっという間に着いちゃったという感じがする。そのぶん、ヘルシンキからリスボンまでは4時間くらい飛行機に乗ることになるのだが、この方が疲れなくていい。

ムーミンに溢れているヘルシンキ空港

ヘルシンキ空港はヨーロッパの首都の空港にしては、こぢんまりとしている。空港内にバスなどが運行していることもなく、自分で歩いて移動できる。

ヘルシンキ空港

ヘルシンキ空港はこんな感じ。こぢんまりとしていて、
明るい雰囲気だ

私が訪れたときは、空港内の一部は工事中だったのだが、レストランやショップは充実していた。やはりフィンランドらしいといえば、マリメッコとムーミンのショップがあるところだろう。とくに、ムーミンのショップは日本人が群がっていた。

ヘルシンキ空港 ムーミンショップ

ヘルシンキ空港内にあるムーミンショップ。
ショップ前にはムーミンの看板?

ムーミンといえば50代はどんぴしゃの世代なわけだが、いまの若い子たちは知っているのかな。そういえば原作者のトーベ・ヤンソンは日本のムーミンのアニメを嫌っていたという話を聞いたことがあるけれど、真相はいかに?

ヘルシンキ空港 ムーミンカフェ

ヘルシンキ空港内にあるムーミンカフェ。
けっこうムーミンに頼っている空港だった(笑)

ヘルシンキ空港での待ち時間は約3時間。マリメッコやムーミンのショップを冷やかして、ビールを1杯飲んだら、もうリスボン行きの飛行機の搭乗時間が迫っていた。

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