50代が初めてのクアラルンプールでやりたい10のこと

王宮 マレーシアへ行こう

マレーシアを訪れる多くの人は首都クアラルンプール(KL)に降り立ちます。ペナンやランカウイ、東マレーシアなどが目的の人は、すぐに飛行機を乗り継いでしまうことが多いでしょう。だから、マレーシアに行ったことがあるといっても、KLの街は訪れなかったという人も少なくないかもしれません。でも、実はKLは魅力がたっぷり。訪れないなんてもったいないです!

この記事では、「50代が初めてのクアラルンプールでやりたい10のこと」をご紹介します。ここに紹介したスポットだけなら1泊2日で回りきれるので、他のエリアが目的の場合でもぜひ訪れてみてください。

【1】ホップオンホップオフに乗る

ホップオンホップオンバス

ホップオンホップオンバス。
KLに来たら、まずはこれに乗りたい

ホップオンホップオフとは、乗り降り自由でKLの見どころを効率良く回るバスのこと。多くの都市で同じようなバスが走っていますが、KLのこれは本当によくできています。

回るのはKL市内の30カ所。シティルート(レッドライン)とガーデンルート(グリーンライン)に分かれていて、ブキッ・ビンタンが起点となります。

KLタワー、チャイナタウン、リトルインディア、KLセントラル、レイクガーデン、バードパーク、国立モスク、ムルデカ広場、ペトロナス・ツインタワーなど、KLの見どころのほとんどを網羅しているといっても過言ではありません。時間のない人や面倒くさがりやほど、これに乗るべきです!

数ある停留所の中で、特筆すべきは王宮。ここはアクセスが悪く、個人ではちょっと行きづらいところなので、ホップオンホップオフで行くのがお勧め。ここに限っては停車時間が5分ほどあるので、いったん下りて外観を見学&写真撮影することができるのもうれしいところ(もともと内部は見学できません)。

王宮

威風堂々たる王宮。内部見学はできません

王宮

馬に乗った衛兵が王宮を守ります。
一緒に記念撮影もできますよ

バスは2階建てて、2階部分はオープンデッキ。オープンデッキは気持ちがいいのですが、日差しはかなりきついです。また、風も強く、髪がぼさぼさに。一時オープンで雰囲気を味わったら、後は車内の席の方がお勧めかな。

ホップオンホップオフ

オープンデッキ席はこんな感じ。開放的ですが、暑い

料金は大人RM50で、24時間有効。まずは乗り降りせずに一度ぐるっと回ってみて、KLの街の概要をつかむことをお勧めします。1周だいたい2〜2時間30分くらいです。チケットはブキッ・ビンタンの停留所やバスの中などのほか、オンラインでも購入できます。

詳しくはこちら。
KL KOP-ON HOP-OFF

【2】国立モスク(マスジット・ネガラ)を見学する

国立モスク

高くそびえるミナレットが目印です

マレーシアはイスラム教国です。ですから、KLの街中にもモスクが点在しており、なかでもひと際存在感を放つのが国立モスク(マスジット・ネガラ)です。

毎日5度の礼拝時には祈りを捧げる人々でいっぱいになりますが、とくに大切とされる金曜の正午の礼拝ともなれば、アザーン(礼拝の呼びかけ)の調べに誘われるように多くの人々がこの国立モスクの中に吸い込まれていきます。

創建は1965年。高さ73mのミナレット(尖塔)が目を引く巨大な建物で、約8000人を収容可能とか。傘のような屋根のデザインが特徴です。礼拝の時間を除けば、観光客でも内部の見学は可能。イスラム教国を訪れたのですから、国立モスクに限らず、モスクには足を運ぶことをお勧めします。

なお、内部見学時には靴を脱いで。ローブとスカーフ(女性のみ)が貸し出されるので、それを身に着けます。

国立モスク

足洗い場もこんなに広いのです!

【アクセス】最寄りはLRTまたはモノレールの「KLセントラル」駅ですが、ここからだと結構歩くので、ホップオンホップオフの25番「ナショナル・モスク」、または無料循環バス「GO KL」レッドライン「マスジットネガラ」を利用するのが便利です。

【3】クアラルンプール鉄道駅を見学する

マレーシアは19世紀半ばから1957年にマラヤ連邦として独立するまで、イギリスの植民地でした(太平洋戦争中は日本が占領)。イギリスは植民地でインフラ整備に力を入れることが多いのですが、マレーシアでも同様で1885年にマレー鉄道が敷設されました。

最初はタイピンからポート・ウェルド(現クアラ・セレタン)までの約13km。これは当時のマレーの一大産業であった錫の運搬のためでした。その後、クアラルンプールからスウェッテナム港(現ポートクラン)を結ぶ路線もでき、1913年にはマレー半島を縦断する路線が完成しました。

クアラルンプール鉄道駅

左にあるのがクアラルンプール鉄道駅。右手はKTMの本社ビル

クアラルンプール鉄道駅は1910年に建設されたもの。オスマン・トルコ、ムガール帝国、ゴシック、古代ギリシャの建築様式を取り入れたという壮麗な建物で、イギリス人建築家のA.B.ハボックの手になります。ちなみに、ハボックは旧連邦事務局ビルやマシドット・ジャメなどのコロニアル建築も手掛けた人物として知られています。

クラシカルな建物は見ているだけでうっとり。まだ駅としても機能していて、KTMコミューターの列車が発着します。構内には自由に入ることができ、ホームに佇むと旅情に誘われます。また、かつては「Hotel Heritage」という駅ホテルがあったのですが、残念ながらいまは閉鎖されています。

クアラルンプール鉄道駅

風情ある駅構内。クリーム色の壁や
コロニアルな窓枠のデザインが素敵

クアラルンプール鉄道駅

どこか旅に出たくなりますね

また、駅の一画にはマレー鉄道の歴史を紹介するコーナーもあり、意外に楽しめます。なお、現在、マレー鉄道の主駅はKLセントラル駅となっており、区別するために旧駅と呼ばれることもあります。

クアラルンプール鉄道駅

一画にあるミニ博物館。マレー鉄道の歴史を紹介しています

【アクセス】ここもちょっと行きにくい。駅なんだから列車に乗ればよいのでは?と思うかもしれませんが、KTMコミューター(近郊電車)しか停まらず、1時間に1本くらいしかないので、あまりお勧めしません。KTMコミューターで行くとしたら、KLセントラルから1駅です。

現実的なのはLRT・モノレール「KLセントラル」駅またはLRT「パサール・スニ」駅から歩く方法。とはいえ、15〜20分くらいはかかります。便利なのは、無料循環バス「GO KL」レッドラインの「マスジット・ネガラ」または「KTMクアラルンプール」です。

【4】チャイナタウンをブラブラする

マレーシアは多民族国家で、マレー系に次いで人口が多いのが中国系です。というわけで、クアラルンプールにも大きなチャイナタウンがあり、つねに活気に溢れています。

メイン通りのプタリン通りにはTシャツやバッグなどを売る屋台がびっしりと軒を連ね、客引きの声も喧しい。飲食店やフードコートもあるので、昼食や夕食時に訪れるのもお勧めです。有名なのはチキンライスの「南香飯店」やワンタンミーの「冠記」、レトロな雰囲気が人気の「オールド・チャイナ・カフェ」など。

チャイナタウン

チャイナタウンに行くと必ず立ち寄るレゲエバー(笑)

関帝廟があるほか、なぜかヒンドゥー教のスリ・マハ・マリアマン寺院があるのも、マレーシアらしいといえるでしょう。また、クラシカルな建物も点在しており、建物を見ながらの街歩きが楽しいエリアといえます。

チャイナタウン

よく見ると、こんな建物も点在しています

【アクセス】LRT「パサール・スニ」駅、または無料循環バス「GO KL」パープルラインの「パサール・スニ」から約徒歩5分。ホップオンホップオフの16番「チャイナタウン」すぐ。

【5】セントラルマーケットでお土産を物色する

チャイナタウンへ行ったら、あわせて訪れたいのがブルーの外観が目印のセントラルマーケットです。マーケットといっても、生鮮食料品などはありません。

セントラルマーケット

奥に見えるブルーの建物が
セントラルマーケットです

民芸品や雑貨、お菓子、スカーフ、テキスタイル、Tシャツなど観光客向けのみやげ品が主な取扱品ですが、品揃えは豊富で小さな店をブラブラと冷やかしながら歩くのはなかなか楽しいものです。リーズナブルな価格帯のものも揃っているので、ばらまきお土産を探すのにもぴったり。屋内型の店舗なので、涼しいのもいい!

カフェやレストランもあるので、観光の合間の休憩に立ち寄るのもお勧め。2階にある「プレシアス・カフェ」はチャイナタウンにある「オールド・チャイナ・カフェ」の支店です。

【アクセス】LRT「パサール・スニ」駅、または無料循環バス「GO KL」パープルラインの「パサール・スニ」から約徒歩5分。または、ホップオンホップオフの17番「セントラルマーケット」すぐ。チャイナタウンのエリアにあるので、チャイナタウンの散策ついでに行くのがお勧め。

【6】ブリック・フィールズ(インド人街)を散策する

マレーシアにはなんとインド人街もあります。ガイドブックを見るとトゥンク・アブドゥル・ラーマン通りをインド人街と紹介しているものもありますが(このあたりもインド系の人が多い)、インドっぽい雰囲気を味わうのであれば、断然ブリック・フィールズです!

ブリックフィールズ

ブリックフィールズの街並み。極彩色なうえ、
強烈な日差しと相まって目がチカチカします。

ブリックフィールズ

ブリックフィールズのシンボル。象さん噴水!

ブリックフィールズ

街を歩く人もインド系が多い

場所はKLセントラル駅の北側一帯。道沿いにはインド料理店をはじめ、インドの食材や雑貨、インドの民族衣裳、アクセサリーなどを売る店が軒を連ねます。店からはインド・ミュージックが流れ、こんなところがクアラルンプールにあったのかと驚かされます。

インド料理店はどこもレベルが高いので、カレーを食べに訪れるのもお勧め。なお、マレーシアのインド系はそのほとんどが南インドにルーツがあるとのことで、レストランで提供されるのは南インド料理となります。また、カレーはもちろん、マンゴーラッシーも絶品なので、ぜひお試しを。ラッシーだけを味わいに料理店に入るのは気が引けますが、昼下がりの暇な時間帯であればOKかも。

道端にはヘナタトゥーを施してくれる屋台も出ているので、旅の記念にチャレンジしてもいいかもしれません(ヘナタトゥーは2週間くらいで消えます)。

ブリックフィールズ

ヘナタトゥー。乾かすと、色が定着します

【アクセス】LRTまたはモノレールの「KLセントラル」駅から徒歩5分。ホップオンホップオフの19番「リトル・インディア」からすぐ。

【7】ぺトロナスツインタワーに上る

クアラルンプールのシンボルといっても過言ではないのがペトロナス・ツインタワー。やはり初めてのクアラルンプールで、ぜひとも押さえておきたいスポットの一つといえます。

ペトロナスとはマレーシア国立の石油会社の名前。タワーが完成したのは1998年で、高さ452m88階建て。完成当時から2003年までは世界一高いビルでした。印象的なデザインは、モスクの尖塔をイメージしているといわれます。

ツインタワー

モスクの尖塔をイメージした独特のデザイン

建設を担当したのは日本と韓国の建築会社。それぞれ1棟ずつ建設しました。ちなみに、一方が傾いていると噂され、傾いている方を建設したのは……なんていう話もあります。

2塔のビルは高さ170mの41階でスカイブリッジで結ばれています。なお、このスカイブリッジと高さ360mの86階にあるオブザベーションデッキは一般客でも入ることができます。ぜひ眼下に広がるKJの街並みを楽しんでください。ただし、入場は時間帯ごとに人数制限があり、人気が高いのでぶらりと訪れてそのまま入場するのは至難の業。

というわけで、スムーズに観光したい人は事前予約がお勧めです。あるいは、当日の朝一番に訪れて、希望の時間帯を予約。入場時間が来るまで他のスポットの観光に充てるというのもあり。

【営業時間】9:00〜21:00(金曜13:00〜14:30は休み)
【休み】月曜 【料金】大人80RM(61歳以上42RM)
【アクセス】LRT「KLCC」駅、無料循環バス「GO KL」グリーンラインの「KLCC」、ホップオンホップオフの「ペトロナス・ツインタワー」すぐ。

詳しくはこちら(チケット予約)
PETRONAS TWIN TOWER
ただ、個人的にはツインタワーは上って眺めを楽しむというよりは、外からその雄姿を眺める方が好きです。KLのさまざまな場所からツインタワーを眺めることができますから、見え方の違いを楽しむのも一興。
ツインタワー

のどかなカンポンバルから眺めるツインタワー

私が面白いなと思ったのは、カンポンバルから眺めるツインタワー。カンポンバルはKLCCの隣駅ながら、昔ながらの風情が残る庶民的なエリア。「コケコッコー」と鶏が泣き叫び、猫が昼寝をし、アイスクリーム売りのおじさんがのんびりと自転車を漕ぐのどかな風景の中に、無遠慮にドーンと割り込むツインタワーはなかなかシュールです。

【8】巨大ショッピングモールに行く

クアラルンプールには大規模ショッピングセンターがいくつかあります。海外の高級ブランドショップから地元の人気ブティック、雑貨ショップ、グロッサリー、スーパーマーケットまで揃い、地元客の人気を集めています。

食事や買い物を楽しむのに観光客にもとても便利なスポットなので、ぜひ足を運んでみてください。観光客にお勧めなのは、ブキッ・ビンタンにある「パビリオン」とツインタワーにある「スリアKLCC」です。

どちらも立地がよく、観光の合間に立ち寄りやすいのが魅力です。

ショッピングせんター

パビリオンの中には、日本のレストランや
雑貨店、食料品店などを揃えるコーナーも

【9】アロー通りで屋台料理を堪能する

アロー通り

アロー通りの屋台街。いつも活気に溢れています

クアラルンプールの食事処は?と聞かれて真っ先に上げたいのが、アロー通りの屋台街です。ここに行かなければクアラルンプールは語れないというほど(ホントか笑)、重要なスポットといっていいでしょう。

屋台街というとシンガポールのホーカーズのような1区画に小さな屋台がひしめくスタイルを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、こちらは本当にストリートです。道の両側にテーブルとイスがズラリと並べられ、それがずっと先まで続いている様は壮観!

アロー通り

どの店で食べても味はあまり変わらないかも(笑)

これらのテーブルとイスはアロー通り沿いに軒を連ねるレストランが出しているもの。料理はレストランの厨房で作られて、提供されているので、「屋台料理は衛生面が……」という人も少しは安心できるのでは? また、トイレも店舗内のものが使用できます。

アロー通り

好きな串を選んで、スープで煮て食べる
マレー風おでんみたいな料理も

提供される料理はマレー風中国料理。どこで食べてもあまり味は変わらないような気がするのですが(笑)、「この店はチャーハンがおいしい」とか、「ヌードルだったらあの店」のように、微妙に特徴はあります。また、マレー風かき氷などデザート類も充実していて、地元の若い子たちはデザートだけを食べに来ていたりします。

ちなみに、私が好きなのは酢豚。小さい頃に食べたようなケチャップで作るベタな酢豚がたまりません。ノスタルジーを誘うのかな?

ブキッ・ビンタン通りをケンタッキー・フライト・チキンの角で曲がり、最初に左に入る道が屋台街の入口になりますが、ここを曲がらずに真っすぐ進むとバーやしゃれたレストランが並ぶエリアとなります。

チャンカット・ブキッビンタン通り

チャンカット・ブキッビンタン通り。
おしゃれな店が軒を連ねます

ここはチャンカット・ブキッビンタン通りといい、観光客や地元の若者に人気のエリアとなっています。アロー通りで食事をして、腹ごなしにここまで歩き、軽く一杯飲んでからホテルに帰るのもお勧めです。

【アクセス】モノレール「ブキッ・ビンタン」駅から徒歩約5分。

【10】フットマッサージで癒される

観光の疲れを癒してくれるマッサージ。50代ともなると、やはり旅の途中でリフレッシュしたいですよね。

東南アジアはフットマッサージが盛んな国が多いのですが、マレーシアもご他聞に漏れません。とくに、フットマッサージの店が多いのが、ブキッ・ビンタン。アロー通りの一本裏を走るテンカット・トン・シン通りや表通りのブキッ・ビンタン通りなどに、多くのマッサージ店が軒を連ねています。

店の前にはマッサージ師がたむろしていて、客引きに余念がありません。値段はどこの店もほとんど変わりませんから、混み具合などを見て判断するといいでしょう。メニューはフットマーサージの他、ボディマッサージなどもありますが、客の8割方はフットマッサージを選択しているよう。

店内にはゆったりとしたリクライニング・チェアがいくつも並べられていて、フットマッサージはここで施術を受けます。席に着くと大きなたらいが足元に運ばれ、それで足を洗っもらってから施術開始です。なお、基本的には施術着のようなものはありませんので、ハーフパンツやスカート、裾がまくりやすいパンツなどで行くのがお勧め。

なお、ブキッ・ビンタンにあるマッサージ店は基本的には観光客相手。もっと本格的なマッサージを希望する人は、KLセントラル駅周辺に店を構えるブラインド・マッサージ店へ足を伸ばすといいでしょう。どの店も外からは中の様子が伺い知れず、入るのはちょっと勇気がいるかも知れませんが、腕は確かです。料金もブキッ・ビンタンに比べるとリーズナブルです。

ちなみに、クアラルンプールには高級スパも多く、日本よりは格安で施術が受けられます。時間に余裕がある場合は、訪れてみてはいかがでしょう。

 

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