50代が初めてのクアラルンプールで食べたいグルメ10選

マレーシアへ行こう

旅の楽しみの一つはやはりグルメ。ここでは、50代で行く初めてのクアラルンプール(KL)でぜひ味わって欲しいと、私が個人的に考えるグルメをご紹介します。

【1】肉骨茶

いやはや肉骨茶ってすごいネーミングですよね。私もクアラルンプールで初めてこの文字を見た時は、ものすごい衝撃でした(笑)。これはバクテーというマレーシアの煮込み料理。豚の脂肉などをスパイス(クローブや胡椒、八角、ニンニクなど)と中国醤油で煮込んだもので、ネーミングにある“茶”は使われていません。

マレーシアがイギリスの植民地だった時代、出稼ぎの中国人が作った料理がその起源といわれ、クランが発祥の地とされています(諸説あり)。マレーシアではかなりポピュラーな料理といえますが、豚肉料理なので当然のことながらマレー系の人は食べません。スーパーには肉骨茶の素みたいなものも売っています。

アロー通りなどいろいろな場所で食べることができますが、お勧めは「新峰肉骨茶」です。インビマーケットの近く、ブキッ・ビンタンからも歩いていけます。ここは基本的には冷房がなく、オープンな作りのレストランですが、食器もきれいだし、店内も清潔感があるので、「屋台はちょっと……」という人でも安心です。

新峰肉骨茶

新峰肉骨茶の店内。こざっぱりとした雰囲気です

新峰肉骨茶

食器もきれい。お手ふきもついてきます

肉骨茶は少し甘い味付け。漢方薬のようなと形容されることが多いスパイスの癖もそれほど感じず、食べやすい味付けです。肉も柔らかく、ほろほろとした口当たり。スープはご飯にかけて食べてもおいしいです。ここは肉骨茶以外のメニューも充実。チャーハンなどもおいしいですよ。

新峰肉骨茶

これが肉骨茶(バクテー)。お肉は柔らかく、スープはほんのり甘い。
スパイスはそれほどきつくはありません

新峰肉骨茶

チャーハンも美味。肉骨茶と一緒にお楽しみください

【2】鶏飯(チキンライス)

チキンライスというと日本人はオムライスの中に入っているケチャップ炒めご飯を連想しますが、マレーシアのチキンライスはチキンのだしで炊いたご飯に、ゆでたチキンを添えたもののことを言います。正確には海南鶏飯といい、中国の海南島出身者がマレーシアやシンガポールなどで広めたようです。マレーシアではマラッカの名物とされ、マラッカにはいくつものチキンライス屋さんがあります。

クアラルンプールで食べるとしたらお勧めは「南香飯店」です。ここはガイドブックにも載っている有名店で、いつも観光客で賑わっています。チャイナタウンにあるので、行きやすいのも魅力ですね。

南香飯店

南香飯店の店頭には、チキンがいくつもぶら下がっています

チキンはゆでたものとローストしたものの2種類があります。定番はゆでチキンですが、私はローストチキンの方が好き! ローストチキンは数が少なく、品切れになってしまうことも多いのでご注意を(お昼くらいまでに行きましょう)。チキンを頼むと、チキンライスも一緒についてきます。

南香飯店

手前はゆでチキン、奥がローストチキンです

南香飯店

ローストチキン&チキンライス。
これにモヤシサラダとスープがつきます

チキンはマレー半島原産を使用し、プリプリとした歯ごたえ。ショウガ、トウガラシ、醤油の3種類のソースをお好みで混ぜ、チキンに付けて食べましょう。チキンライスはあっさりとした味付けで、もりもり食が進んじゃいます。

店内はクーラーが効き、清潔感もあります。午前11時〜午後3時までの営業なので、遅めの朝食またはランチにお出掛けください。

【3】ラクサ

ラクサはマレーシアを代表する麺料理です。地方によって味付けが変わり、アッサムラクサ、カレーラクサ、ニョニャラクサなどがありますが、クアラルンプールでよく見かけるのはニョニャラクサやカレーラクサでしょうか?

麺の種類もいろいろで、ミー(たまご麺)やクェティヤオ(きしめん風の麺)などを使用するようです。店によっては、麺の種類を選べることも。私が好きなのは、クェティヤオのニョニャラクサかな。ニョニャラクサはほんのりココナッツミルクが効いた柔らかなお味。具材は油揚げ(?)やゆで卵、きゅうりなどで、飽きずに食べられます。

ラクサに関して絶対にここ!とお勧めできる店は特にないのですが、行きやすさで言えば、チャイナタウンの「オールド・チャイナ・カフェ」(趣のある素敵カフェ。フォトジェニック!)、セントラルマーケット内にある「プレシアス・カフェ」(オールド・チャイナ・カフェの支店)、KLセントラル駅に併設されたショッピングセンター、NU Sentral内にある「プラナカン・プレイス」(落ち着いた着席レストラン)や「ニョニャカラーズ」(NUセントラルの店は気軽なフードコートスタイル。ランチタイムはいつも地元のワーカーでいっぱい!。KLCCやKLIA2などにもあります)でしょうか。いずれも癖がなく、おいしく食べられます。

ただ、マレーシアの料理の常なのですが、やや甘すぎるという難点があります。ラクサにはリマウ(すだちに似た果物)が添えられ、それを搾って食べるのですが、酸味が足りないと感じることもしばしば。可能であれば、マイビネガーを持参して、お好みでかけて食べるとよりおいしく召し上がれると思いますよ。

 

ラクサ

オールド・チャイナ・カフェのラクサ。ここは麺が選べます

ラクサ

プラナカン・プレイスのラクサ。ちょっと辛みのある味付け

ラクサ

ニョニャカラーズのアッサムラクサ。
アッサムラクサはペナンの名物で、魚のだしが効いた独特の味。
うーん、ちょっと癖があるかな

 

【4】ワンタン・ミー

次からは、麺好き日本人でも納得するおいしい麺料理を2つご紹介します。ひとつは、チャイナタウンにある「冠記」のワンタン・ミーです。この店はもともとチャイナタウンの路面店でしたが、いまはフードコート内のみで営業している模様(路面店を確認できなかった。もしまだあったらごめんなさい)。

このフードコート、クーラーが効いていないので非常に暑い! そして、なんだか渾沌としていて、初めての人は頼みにくいかも知れません。ただ、恐れるに足りず。建物内の壁際に店があり、頼んだ品物を中央に配置されている席で食べるシステムです。チャイナタウンにあるので観光客も多く、店の人も外国人に慣れているので安心。

建物内に入ったら「冠記」を探して料理を注文し、席で待っていれば料理を運んで来てくれます。なお、飲物は専門の店がありますので、そちらで注文を。他にも食べたい料理があれば、もちろん頼んでOK。ここはカラリと上がったフライドチキンとかカレーとか、おいしそうなものが多くて目移りしちゃいます。

冠記

フードコート内にある「冠記」。
この看板をどうぞ目印に!

麺料理はスープに入ったラーメン風のものと、ドライと呼ばれる焼きそば風のもの(スープ付き)の2種類ありますが、個人的には断然ラーメン風のものがお勧めです。また、麺も細めのものと太めのもの、サイズも大・小2種類から選べるようになっていますので、お好みでどうぞ。

「冠記」ではいくつかの麺料理を提供していますが、看板はワンタン・ミー。エビのすり身がたっぷりと入ったワンタンはさっぱりとした味わい。あっさりとしたスープとも好相性です。もう少しこってりしたものをというのであれば、チャーシュー麺もお勧めです。甘辛いたれの味付けが効いたチャーシューとあっさりスープの組み合わせもまた絶品です。

冠記

細麺のワンタン・ミー。スープは澄んでいます

冠記

ワンタン&チャーシューを入れた贅沢バージョン

汗をかきながら熱い麺を啜るのが、KLの醍醐味ですね。

【5】ポーク・ヌードル

クアラルンプールのヌードルでもう一つお勧めしたいのが、KLセントラルの近くのフードコート「Money Corner(銭衆彎)内にある「Peter’s Pork Noodle(ピーターズ ポーク ヌードル)」です。

フードコートの一画にあります

こちらのフードコートは少し分かりにくいところにあり、観光客もあまりいないので、「冠記」があるフードコートよりもハードル高め。ちょっとアウェイ感はあるかもしれませんが、クアラルンプールの日常を垣間見るつもりで行くのもいいかもしれません。お昼時に行くと、近隣のビジネスマンやOLさんたちも、ここでランチを食べています。ただし、こちらのフードコートもクーラーはありません。

こちらの店で出すポークヌードルは、その名の通り、豚肉の具が入った麺。こくのあるスープがおいしく、全般的に甘い味付けのマレー料理に飽きた舌が生き返ります。麺は3種類ある中から選べ、サイズも大小とあります。

卵入りポークヌードル

お好みで卵(温泉卵風)を落とすこともできますが、たま〜に卵がかなり生っぽいことがあるので、ちょっと注意が必要です。

【6】アロー通りの中華料理

KLに行ったら、必ずと言っていいほど訪れるのがアロー通り。ここは屋台街になっていて、いつ行っても観光客や地元客で賑わっています。

いつ行っても賑やかなアロー通り

ここで食べられるのはマレー風の中華料理。ちなみに、みなさんは中国料理と中華料理の違いをご存知ですか? 中国の本場の味をしっかりそのまま再現しているのが中国料理、中国料理をベースに日本風のアレンジを加えたものを中華料理と言うのだそうです。

アロー通りで食べられる中国料理は、マレーシアでアレンジされたもので、まさにマレーシアの中華料理といえるでしょう。

アロー通りの中華料理で私が一番好きなのが酢豚。揚げた豚肉とニンジン、タマネギ、ピーマンをざっと炒めてケチャップで味付けしたような昭和の酢豚で、懐かしさに浸れます。また、カイラン(チャイニーズケール)を塩やニンニクでシンプルに炒めたものもお勧めです。

昔懐かしいケチャップ味の酢豚

カイランの炒めもの。味付けがしっかりしていておいしい

とはいえ、ここは何がおいしいというよりも、雰囲気を味わうところなのかもしれません。さまざまな料理をリーズナブルな料金で味わえるので、いろいろとチャレンジしてみて自分の好きな料理を見つけてみてはいかがでしょうか?

【7】バナナリーフカレー

インド系の人たちも数多く住んでいるクアラルンプールにはインド料理店がたくさんあります。マレーシアのインド系の人たちは南インドにルーツを持つ人が多く、どちらかというと南インド系の料理を出す店が多いようです。

そんな中で庶民の味として親しまれているのがバナナリーフ・カレー! 読んで字のごとく、バナナの葉っぱの上にご飯やカレー、おかずなどが盛りつけられたものです。ただ、インド料理店はたくさんあるものの、観光客がバナナリーフ・カレーを気軽に食べられる店は実はそれほど多くはないのです。

観光客でも気軽に入れるバナナリーフ・カレーの店があるのはバンサー。Gacktサマも住んでいる高級住宅街ですが、ここにいつも混んでいるバナナリーフ・カレーの人気店が2店あります。

一つは「Sri Nirwana Maju Restoran (スリ・ニルワナ・マジュ・レストラン)」。ピンクと黄色の看板が目印です。ここは本当にいつも混んでいて、なかなか入れない。

もう一つは「Raj’s Banana Leaf(ラジス・バナナリーフ)」。こちらの方が店の規模も少し大きく、比較的入りやすいです。雰囲気は大衆食堂ってとこかな。

大きな看板が目印です

注文してテーブルで待っていると、目の前に大きなバナナの皮が敷かれ、その上にご飯やカレー、薬味的なものをどさどさと盛り付けてくれます。インド系の方々は手で食べているようですが、手だとなかなか食べ難い。スプーンの用意もありますので、ここは無理をせずにスプーンでいただきましょう。

ご飯の上にカレーをかけてくれます

インド人街として知られるブリックフィールズにも、バナナリーフ・カレーが食べられる店があります。「SRI PAANDI(スリ・パアンディ)」はバナナリーフ・カレー専門店。ローカル色バリバリなので、観光客にはちょっと敷居が高そうに見えますが、スタッフは優しいので、思いきって入ってしまえばどうにかなります。店内の一画にカレーに付け合わせるチキンや魚などの料理がずらっと並んでいて、好きなものを選ぶシステムです。

間口はそれほど広くありませんが、奥にずっと広がっています

おかずをいろいろと乗っけて

こんなふうに料理が並んでいて、好きなものを取るシステム

どちらの店もカレーはそれほど辛くはなく、日本人にも食べやすい味付けといえます。ランチや軽いディナーにお勧め。異国情緒満点のグルメといえるでしょう。

【8】中東料理

クアラルンプールの街を歩いていると、ブルカやニカブなどをまとった全身黒づくめの女性たちを多く見掛けます。マレーシアはイスラム教国で、人口の7割近くがイスラム教徒。ですが、戒律はそれほど厳しくないようで、女性たちもTシャツにジーンズなどのラフな服装にヘジャブ(スカーフ)をかぶっている人がほとんど。

では、ブルカやニカブの人たちはというと、彼女たちは中東の国々からの旅行者。イスラム教徒はお祈りもしなくちゃいけないし、食べ物にも制限があるので、旅先としてもイスラム教国のほうが安心できるようですね。そのため、イスラム教国であるマレーシアに、中近東からの旅行客が多く訪れるというわけ。

そのせいかクアラルンプールには中東の料理を食べさせるレストランが結構多いのです。特に集中しているのは、繁華街のブキッ・ビンタンのあたり。「Tarbush(ターバッシュ)」や「Naab(ナーブ)」あたりがいつも賑わっています。余談ですが、このあたり(グランド・ミレニアム・ホテルからブキッ・ビンタンの交差点にかけて)は、ここ数年でなぜか中東色がものすごく強くなっているエリアでもあります。

どのレストランでもメニューは似たり寄ったりで、フムスやケバブなど定番料理が味わえます。なお、基本的にアルコールは置いていませんのでご注意を。食事のお供にはミントティーがお勧め。水たばこを吸わせてくれるところもあるので、興味のある方はぜひ。

「Naab」のフムス。フムス大好き!

こちらはケバブ。美味です

なお、イスラム美術館の中にあるレストランでも中東料理が味わえます。味はまあまあといったところですが、店内の雰囲気がとってもステキ。ランチはメイン料理を選び、前菜やデザートをビュッフェで楽しめるので、ちょっとお得かな(といっても、街の物価に比べると高い><)。

イスラム美術館のレストラン。
ランチでは前菜がビュッフェで楽しめます

選べるメイン。こちらはナスとトマトのムサカ

アジアンチックな料理に飽きたら、目先を変えて中東料理を楽しむのもいいですよ!

【9】マレー料理

ラクサやチキンライスもマレーシアを代表する料理なのですが、KLを訪れたならぜひマレー系のお料理も食べていただきたい。

マレー系料理の定番といえば、ナシ・レマ(ココナッツミルクで炊いたご飯。おかずと一緒に食べる)やナシ・ゴレン(マレー風焼き飯)、サテー(マレー風焼き鳥)、ビーフ・レンダン(ココナッツミルクやスパイスで牛肉を煮込んだもの)など。屋台や簡易食堂のようなところで気軽に食べられますが、そういうところは衛生的にちょっと……という人にお勧めしたいのが、「Madam Kwan’s(マダム・クワン)」です。

「マダム・クアン」のナシ・レマ。
チキンやエビのおかずがついている

パピリオンやスリアKLCCなど大きなショッピングセンターに入っているマレー料理のチェーン店で清潔だし、サービスもまずまずです。味もしっかりしていて、食べやすい。メニューもバラエティに富んでいて、一通りのマレー料理が味わえます。

もうひとつお勧めしたいのが「Bijan(ビジャン)」。レストランやバーが建ち並ぶチャンカット通りを抜けた高台にある高級レストランです。高級といっても敷居が高い感じではありません。趣のあるインテリアの中で、本格的なマレー料理が味わえます。

おしゃれな店内。欧米人客も多いですが、
ラマダンの時期はマレー系の人々で賑わいます

うーん、料理の名前が分からない。
「ビジャン」は店内が暗くて、
料理の写真がきれいに撮れない><

ちなみに、店内はかなり薄暗く、メニューが読みづらいので、店のHPからメニューをダウンロードして、事前にじっくりと読み込んで、頼むものをある程度絞り込んでいくといいですよ^^

【10】ドリアン

すみません。最初に言っておきますが、私、ドリアン苦手です^^; じゃあ、何で勧めるんだよっ!というお叱りのお言葉もおありでしょうが、マレーシアはドリアンの一大産地。まだドリアンを食べたことがないという方は、ぜひぜひ一度味わっていただきたく、最後に紹介させていただくことに致しました。

ドリアンはその強烈な匂いのため、持ち込みを禁止しているホテルも多く、ショッピングセンター内のスーパーなどでは売っていません。では、どこで買えるのかというと、道端にあるドリアン屋台です。アロー通りのとば口にもいつもドリアン屋台が出ていますので、旅行者はここが買いやすいかもしれません。

ドリアン屋台。周囲にドリアン臭をまき散らします^^;

ドリアンと言ってもいろいろな種類があるらしいのですが、お勧めは「山猫王(ムンサンキン)」だそうです。屋台にもだいたい「山猫王」と大書されていて、かなり目立ちます。屋台で購入したら、その場で食べるのがいいでしょう。

「女房を質に入れてでも食べたい」と称されるドリアン。ハマる人はものすごくハマるみたいですけれどね。クアラルンプールではドリアン味のお菓子も数多くあり、こちらはおみやげにぴったり。なかなか刺激的なお味なので、罰ゲーム的なものにも使えます^^;

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