スリランカへの旅(15)キャンディでの宿、 「ホテル カサマラ」は愛すべきダメダメホテルでしたの巻

キャンディホテルカサマラ スリランカへの旅

消去法?で選んだ「ホテル カサマラ」

キャンディでの過ごし方は街歩きがメインです。そのような場合、私たちは街歩きのしやすさを最も重視して、ホテルを選びます。街歩きのしやすさとは基本的には交通の便の良さ。つまり、駅やトラムなどの駅が近くにあるかどうかが大きなポイントとなります。

ただ、キャンディはこぢんまりとした街で、公共交通機関もありません。ですから、街の中心部にあり、最大の観光スポットである仏歯寺へ徒歩で行けるホテルを探すことにしました。

キャンディは観光地ですから、少なくない数のホテルがあります。ですが、調べてみたところその多くは、キャンディ湖を見下ろす丘の上や郊外などに位置していました。街中にあるホテルといえば、老舗のクラシックホテルである「クイーンズホテル」とあとわずかしかありません。

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というわけで、私たちの最初のターゲットは「クイーンズホテル」でした。ところが、ペラヘラ祭りの期間中だったためか、2カ月くらい前ですでに満室。うーん、残念。

キャンディのホテルカサマラ

カサマラの外観。
ね、なんか素敵っぽいでしょ

第二候補として上がってきたのが、「キャンディ・シティ・ホテル」と「ホテル カサマラ」です。「キャンディ・シティ・ホテル」は旅行サイトの口コミなどで、「可もなく不可もない普通のビジネスホテル」などと評されていました。それで、あまり面白みがないかなと思って、消去法で「ホテル カサマラ」を選ぶことに。ウエブサイトを見てみると、外観もなんとなくステキな感じだし……ね。

クラシカルなエレベーターにびっくり

「ホテル カサマラ」は全35室のこぢんまりとした3つ星ホテル。チェックインはスムーズに済み、客室へ。ここでびっくりしたのがエレベーターです。鉄の二重扉がついたクラシカルなタイプで、なんと手動! まじか! もちろんエレベーターガールなぞ気の利いた人はおりません。ポーターさんが操作する様子を頭にたたき込んでおきます。

キャンディのホテルカサマラ

鉄格子の扉がはめられた
クラシカルなエレベーター

キャンディのホテルカサマラ

エレベーターの内部。扉は二重に
なっています。なんか事故りそう……

客室の冷蔵庫にカギがかかってるよ〜

泊まるのは3階(スリランカの表示では2階)のバルコニーがある部屋。バルコニーはとても広々としていて、目の前の通りを見下ろす感じ。

キャンデイのホテルカサマラ

バルコニー。テーブルセットなどはありません

室内はそれほど広くはありませんが、きちんと片づいています(当たり前か)。バスタブはなく、シャワールームのみ。アメニティも少なく、タオルもゴワゴワですが、3つ星ホテルですからこんなもんでしょう。コロンボのホテルでドライヤーがなかった経験を踏まえ、ドライヤーをチェック! やっぱりなかったよ。

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キャンディホテルカサマラ

客室内はこんな感じ。象さん柄のクッションがかわいい

次に冷蔵庫をチェック……しようと思ったら、カギがかかっていて開きません。以前、スウェーデンのストックホルムを訪れた時、同じようなことがあったので、こんなことくらいでは動じませんよ。ただ、ダンブッラから持ってきたビールを入れたかったので、フロントにて冷蔵庫の解錠をお願い。ついでに、ドライヤーも持ってくるように依頼。

ほどなくしてスタッフがやってきて、2つの懸案を解決してくれました。

最上階のバーは素敵なんだけど……

「ホテル カサマラ」には朝食レストランの他、最上階にバーがあります。到着した日の夜、夕食後にちょっと覗いてみました。中は天井が高く、開放的な雰囲気。素敵なインテリアです。眺めのいいバルコニー席も。ペラヘラ祭りの終盤はこのホテルの前もパレードが通るということなので、格好の観覧席になるのではないでしょうか。

ここでビールを頼んだところ、アルコールはないと言われ、??だったのですが、後にペラヘラ祭りの時はアルコールを出さないということが判明しました。

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仕方がないのでコーラを飲んで、さあ部屋に戻ろうと腰を上げたら、なんとスタッフがいない。先客も帰ってしまっており、バーにいるのは私たちだけ。しばらく待ってみましたが、スタッフが戻ってくる気配もなし。まあ、宿泊しているし……ということで、紙ナプキンに部屋番号を記して部屋に引き上げました。

ベッドにシーツだけってあり!?

その日はシーギリヤ・ロックとダンブッラの石窟寺院の両方を訪れたため、もうクタクタ。明日は早起きして仏歯寺へ出掛けようと思っていたので、早々に寝ることに。ふとんに手をかけたところ、ん!? なんだ、これ?

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ベッドにかけられていたのはシーツのみ。ふとんがありません! 日本のような分厚い布団はないにしても、普通、薄いふとんないしは毛布のようなものがありますよね? シーツだけってあり?

ノルウェーのオスロのホテルに泊まった時、ダブルベッドなのにシングルふとんよりも幅の狭いふとんが2枚セットされていたのを見た時以上の衝撃です。布団をセットするの忘れたんじゃないの?と、クローゼットの中をのぞいてみましたが、そこにあるのは予備の枕のみ。ふとんらしきものはありません。

キャンディのホテルカサマラ

わかるかな? シーツのみで、ふとんがないのよ!

疲れていたし、もういいかと思ってシーツの中に体を滑り込ませたのですが、どうも心もとない。キャンディは意外に寒く、その日の気温は確か22度くらいでした。こんなんじゃ寝られないわよっ!と思い、フロントに速攻電話。「毛布を持ってきて!」と頼みました。

ほどなくして、薄汚れた毛布を抱えてスタッフが部屋にやってきました。ここのホテル、不備はけっこうあるんだけど、頼みごとは意外にちゃんとやってくれるんだよね。そういえば、その時にバーのスタッフもやってきて、「コーラの料金を払って」だと。部屋に付けといてよ、と思いましたが、面倒くさいのでその場で支払い。

その後、持ってきてもらった毛布をシーツの上に掛け、ようやく眠りについたのでした。

なお、ふとんがなく、シーツのみというベッドメーキングは、海外でたまに見掛けられるようですね。

早朝5時。外に出られない!

さて、翌日。仏歯寺のプージャーに行こうと、早朝の5時、まだ日が明けないうちにホテルのロビーへと下りてくると、あれ? なんか暗い。えっ! 誰もいない……。恐る恐るエントランスの扉を押してみましたが、ガーン! カギがかかってる……。暗闇の中で呆然としていたら、ロビーの隅で何やらうごめくものが。ソファの上で寝ていたスタッフさんでした。

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キャンデイのホテルカサマラ

これがロビー。真っ暗な中、ソファに
当直のスタッフさんが寝ていました

外に出たいと伝えると、スタッフさんも扉を押したり引いたりしています。おーい、カギ持ってないのかよー。しばらくそんなことをしていましたが、どうも開かないよう。こりゃ、夜が明けないと外に出られないかな、と半ば諦めぎみでソファに座り待っていると、どこからかカギを持ってきたスタッフさん、無事に開けて外に出してくれました。

まあね、小さいホテルだから、24時間ずっと扉を開けっぱなしということはないんでしょうし、私たちも前日に確認すれば良かったんだけど。でもさ、仏歯寺まで徒歩5分のホテルだよ? 早朝のプージャーに行こうっていう宿泊客だっているでしょ。もう明け方だし。開けておくか、「早朝に外出される方は事前にお知らせください」といったお知らせくらいあってもいいわよね、と思った次第でした。

クレジットカードで清算できない!?

ペラヘラ祭り観賞の翌日も早朝出発の予定。今朝のこともあったので、事前に明日は早朝出発であることを伝え、宿泊料金も精算したいと申し出ました。フロントスタッフのお兄ちゃんは、「OK、OK」と満面の笑み。

そこで、クレジットカードを渡すと、カードでは支払いができないとのこと。へ? なんで? そこにカードリーダーあるじゃん、と指さしましたが、とにかくできないの一点ばり。ちょうどスリランカ・ルピーの持ち合わせがなく、すでに両替所も閉まっている時間帯。フロントの兄ちゃんは、「近くにATMがあるからそこで現金を下ろしてきて」といいます。

クレジットカードで現地通貨が下ろせることは知っていましたが、実際に利用したことはありません。ちゃんと使えるかなあと心配しつつ、再びホテルを出て近所のATMへ(別のスタッフが案内してくれました)。しかし、予想通りというか、現地通貨引きだせず。VISAとAMEXの両方で試してみましたが、ダメでした。これ、後で分かったのですが、事前にキャッシングの設定をしておかないとダメなんですってね。一つ勉強になりました。

で、ホテルに取って返し、現金が用意できなかったことを告げて、少し強い調子で「なんでカードが使えないのよ? ガードで支払わせろ」と要求したところ、カードリーダーの調子が悪いんだと打ち明けます。「いいから、とにかく読み込ませろ!」と、何回か操作をさせたところ、上手い具合に読み込むことができ、めでたしめでたしと相成りました。

その後、「明日、朝早いからね!ちゃんと扉を開けてよ」と念を押し、部屋に引き上げたのでした。

最後の最後に想定外のサプライズ!?

そして、翌朝。キャンディ駅を6時15分に出発するコロンボ行きの列車に乗るため、ホテルを6時に出発します(すでにスーツケースはドライバーさんに預け済み)。フロントには昨夜、クレジットカードで一悶着あったお兄ちゃんが。「じゃあね。どうもありがとう!」と言うと、何やら包みを二つ出してきました。

なんと、お弁当を用意してくれていたのです。確かに朝食付きのプランで宿泊はしていたけれど、朝食を食べられないのは客(こっち)の勝手だしな〜。満面の笑みで「持ってけ!」とばかりにお弁当の包みを差し出す兄ちゃん。なんだよ! 最後の最後にやるじゃないか。なんだかちょっと胸を熱くして、ずっしりと重い包みを手にホテルを後にしたのでした。

キャンディのホテルカサマラ

お弁当のパッケージ。1名分でこれが2つありました

キャンディのホテルカサマラ

中はサンドイッチとソーセージ、ゆで卵。もう一つの包み
には、フルーツ(オレンジ、バナナ、パイナップル)が!

いろいろダメなところはあったけれど、スタッフは人懐っこく、頼んだことは意外にきちんとやってくれる「ホテル カサマラ」は、愛すべきダメダメホテルなのでありました。