極東ロシア2都市紀行(1)令和元年の10連休はハバロフスク&ウラジオストクへ

ハバロフスク空港 極東ロシア2都市紀行

ハバロフスク空港にて

ハバロフスク空港は想像以上に小さかった。モスクワから見ればまさに極東の辺鄙な都市となるハバロフスクの空港が、それほど大きいとはもちろん思っていなかったが、降り立ったときにはその小ささに少なからず驚かされた。

こぢんまりとしたイミグレーションを抜けるとすぐに到着ロビーがあり、荷物をピックアップしてロビーの扉を押すと、そこはもう外だった。イミグレーションや荷物のピックアップの時間をカウントしなければ、飛行機を降りて5分もあれば外に出られてしまうだろう。

ハバロフスク空港

思いのほかこぢんまりとしたハバロフスク空港

時間は午後7時を回ったくらい。ハバロフスクの今日は曇りだったのだろうか。まだ明るさは残っているものの、空は薄いグレーで彩られていた。およそ半年ほど前はハバロフスクなんて全く意識もしたことがなかったのに、いまここにいるのは何とも不思議な気がする。

降って湧いた10連休、どこへ行くか……

2019年のゴールデンウイークは天皇陛下の代替わりがあり、即位の式典などのために10連休となった。日本国民たるもの、国内にいて粛々と改元の瞬間を迎えるべし。との考えが全くもって思い浮かばなかったわけではないが、旅好きにとって10連休の魅力はあらがい難いものがある。

2019年のゴールデンウイークが10年休になるという話は、ずいぶん前から出ていた。だから、気の早い人たちは早めに旅行手配に着手していたようだった。私も早く計画しなければとの思いはあったが、日々の生活に追われ、なかなか手がつけられずにいた。もう手配しなければ手遅れになる。そう思って旅行計画に本腰を入れ始めたのが、前年12月の半ばほどだった。

ゴールデンウイークはヨーロッパに出掛ける、というのがこのところの恒例。だから、2019年もどこかヨーロッパの都市に行きたいと思っていた。そういえばANAの羽田—ウイーン便が2月から就航するんじゃなかったっけ。早速ANAのホームページを確認してみたが、ゴールデンウイークは目の玉が飛び出るほど運賃が高い。JALも含めていくつかの都市を見てみたが、ヨーロッパはどこもかしこも高い。

もう少し早めに手配していたら……。そう後悔するも後の祭り。今年のゴールデンウイークは、近場のアジアにでも行こうか。そう思いつつ、ぼんやりとJALのホームページを回遊していた私の目に留まったのが、「ハバロフスク」という文字だった。ハバロフスク、ハバロフスク、ハバロフスク……と、頭の中で唱えてみる。確か極東エリアの都市だったはずと思い、Googleマップで位置を確認する。

ハバロフスクの意外な人気に驚かされる

私がハバロフスクに惹きつけられたのは、その航空運賃だった。ヨーロッパの都市のほとんどがゆうに20万円を超えているというのに、ハバロフスクはわずか8万円。ゴールデンウイークでこの価格は安い、安過ぎる。この値段だけで、ほぼハバロフスク行きを決めてしまったと言っても過言ではない。よく考えれば、日本からわずか3時間ほどのフライトなので、その安さも当然といえるのだが。

心はすでに決まっていたが、ここで焦ってはならない。チケットを取る前に、ハバロフスクについて少し調べておかなくては。行ってみたはいいが、少しも楽しくなかったというのでは本末転倒だ。

「ハバロフスク」でネット検索してみると、容易にさまざまな情報を得ることができた。なんといっても驚かされたのは、ハバロフスクとその北に位置するウラジオストクは「日本から一番近いヨーロッパ」と称され、若い女子たちを魅了する人気観光地になっているということだった。また、この2都市は近年観光にも力を入れていて、ロシア入国には本来であれば観光ビザが必要なところ、簡易な電子ビザでの入国が可能とのこと。

 

ガイドブック

女子旅向けのこんな愛らしいガイドブックが出ているほど

さらに、調べていくとハバロフスクとウラジオストクの間にはシベリア鉄道が走っていることも分かった。シベリア鉄道! なんと旅情を誘う響きだろうか。最近、海外で鉄道に乗ることにはまりつつある私の背中を、シベリア鉄道はこれ以上なく強力にプッシュした。2019年のゴールデンウイークはハバロフスクとウラジオストクへ行く。さっそく航空チケットを予約した。

沿海州の電子ビザは1都市滞在のみ有効

ここでロシアのビザについて少し触れておこう。日本人がロシアに入国する際には、観光目的の短期間の滞在であってもビザが必要となる。ただ、先にも述べたように、沿海州の3都市(ウラジオストク、ハバロフスク、ユジノサハリンスク)は、簡易の電子ビザで入国することが可能だ。つまり、ネットで申請ができるので、大使館までわざわざ足を運ぶ必要がない。これは助かる。

だが、電子ビザでの入国には制限があるので、注意したい。最も気を付けなくてはならないのは、このビザは1都市の滞在に限るということ。たとえば、ハバロフスクからウラジオストクへ移動するような場合は、電子ビザでは入国できない。

実際、ロシア渡航中に大使館からのメールで、入国と出国は同じ都市だが滞在中に別の都市に行くというケースのビザについての注意喚起があった。もちろんこのケースも電子ビザはNG。ところが、出入国が同都市なのをいいことに、電子ビザで入国したにも関わらず別の都市を周遊するという輩がいて、トラブルになっているとのことだった。

ロシアでは外国人はパスポートを携帯する義務がある。だから、電子ビザしかないのに入国地とは異なる都市にいる時にパスポートの提示を求められたら、一発でビザの不備が分かってしまう。自由旅行の場合、現地での滞在に余裕があると、つい他の都市にも足を伸ばしてみようかという気になるかもしれない。だが、電子ビザで入国した場合、それはご法度なので気を付けよう。

ロシア大使館までビザの申請に行く

というわけで、ハバロフスクとウラジオストクの2都市を回る今回の旅では、電子ビザではなく、通常のビザを取得しなくてはならない。ロシアの通常の観光ビザを取得するには、大使館や総領事館、ロシアビザセンターまで赴く必要がある。旅行会社の代理申請も可能とのことだが、費用が掛かるし、大使館に行くのもちょっと面白そうなので、自分で取得することにした。

いまどきはネットで「ロシアビザ 取得」などと検索すれば、取得方法を丁寧に解説した情報ページが山ほど出てくる。いい時代になったと思う。必要書類(バウチャーなど)の調達方法から申請書の記入方法、顔写真の撮影方法、申請時の注意点まで、本当にありとあらゆることが解説されている。先人たちの経験を感謝しつついただき、粛々と準備を進める

しっかり情報を仕入れ、抜かりなく書類を用意し、いざロシア連邦大使館へ。赤羽橋駅からは東京タワーを横目に見ながら、徒歩15分くらいの距離。普段はあまり縁のない場所でもあり、街並みを楽しみつつ歩く。飯倉の交差点から大使館までの坂道がなかなかきつい。申請した日は何かあったのか、大使館の周りは物々しい警備だった。

ロシア連邦大使館

東京は麻布にあるロシア連邦大使館

ロシア大使館内に一歩足を踏み入れれば、そこは日本ではなくロシア。ビザセクション内の案内アナウンスもロシア語だった。なんとなく緊張するが、書類は何の問題もなく受理され、拍子抜けする。ただ、中には書類を突き返されて、悄然と肩を落とす人の姿も。どこがまずいのか職員から丁寧な説明はないようで、件の人は首をひねりながら帰路についていた。

帰りは麻布十番駅まで歩いて行くことにする。お屋敷街の瀟洒な街並みを楽しみながら、帰路についた。なお、ビザを取得するには、申請と受け取りの2回、大使館に行く必要がある。少し面倒くさいが、受領日を11日営業日以上後とすれば、申請手数料は無料。時間に余裕があれば、こちらがお勧めだ。

査証申請 - 在日ロシア連邦大使館

コメント